行政書士試験不合格の乗越え方:再チャレンジのために

行政書士試験不合格の乗越え方:再チャレンジのために

こんにちは、行政書士の長井です。今日は、行政書士試験の不合格を経験された方々に向けて、その立ち直り方についてお話ししたいと思います。合格発表の瞬間は、一瞬にして喜びと悲しみが交錯します。特に不合格を知った時の打撃は大きいものです。しかし、そこから如何に立ち直り、次へ進むかが大切です。私自身の不合格の経験をもとに、皆さんの一助となれば幸いです。

1,行政書士試験の合格発表

既にご承知の通り、11月に実施される行政書士試験の結果発表は翌年の1月下旬に行われます。この2か月間、多くの受験生が結果を心待ちにしています。特に択一や一般知識の問題を乗り越え、記述式の採点に期待を寄せている方にとっては、この期間は一層長く感じられることでしょう。

合格発表はインターネットで行われ、その数日後には結果通知のハガキが届きます。先にネット上で合格を確認できた方にとっては、合格通知のハガキは嬉しい再確認の瞬間です。しかし、不合格を知った方にとっては、ハガキを開くのも一苦労です。その紙片が瞬く間に悔しさと無念さを象徴するものとなってしまいます。

2,私の経験

私が行政書士試験に合格したのは4回目の挑戦でした。最初の試験はほぼ見学のようなものでしたので、実質的には3回目のチャレンジでの合格です。不合格通知を受け取った2回目の試験では、開封する手が震えるほど悔しかったことを今でも鮮明に覚えています。

不合格通知
2回目受験の合否通知
不合格通知
3回目受験の合否通知
合格通知
4回目受験の合否通知

しかし、その悔しさが私にとっての大きな転機となりました。「また受験生か」と落胆し、「もう勉強したくない」と心が折れそうになりながらも、その悔しさが再挑戦のエネルギーに変わっていきました。そして、その経験が今の私を形作っていると断言できます。試練を乗り越えたからこそ、現在の行政書士としての業務でも困難に直面しても決して諦めない強さを持つことができています。今となっては不合格の経験が良い経験だったと言えますが、当時はそのようなことに気が付く余地もありませんでした。

3,学習再開の前にすること

(1)受け止める

それでも行政書士試験の合格へ向けて再挑戦する方は、まず、不合格の結果を受け止めることから始めましょう。これは決して容易なことではありませんが、自分自身が不足していた点を認め、それを受け入れることが重要です。それは外部のせいにすることなく「自分にはまだ行政書士になるための資質や知識が足りない」という現実を直視することが、次のステップに進むための第一歩となります。

(2)再確認

そもそも、あなたにとって行政書士試験の合格の目的は何ですか?これが明確でないと学習が中途半端になったり、途中で挫折してしまったりする可能性があります。その目的は人それぞれであり、良し悪しはありません。「先生と呼ばれてみたいから」「バッチを付けてかっこよく仕事をしてみたいから」それでも全然構いません。また「お客さんになりそうな知人友人が多いから」「サラリーマンが嫌で独立して自由なライフスタイルを送りたいから」「ビジネスで成功して儲かりたいから」など、それぞれの目的があるはずです。その目的は「不合格を乗り越えてでも達成したいことなのか」ということを再確認することが重要です。

(3)目標設定

不合格の結果を受け、次に向けての目標を明確に設定します。過去の試験結果を分析し、どの分野が苦手だったのか、どこを改善すれば点数が伸びるのかを具体的に洗い出しましょう点数が100点未満だった受験生は、「次こそは180点を超えて合格する!」というような一気に高い目標を掲げるのではなく、まずは「次は150点を目指す!」といったように、現実的で段階的な目標を立てることが大切です。

(4)学習計画の見直し

次に受験する本試験日までの学習スケジュールを立てましょう。最初はざっくりと月単位で目標を立て(例えば「4月:行政手続法を終わらせる」など)、次に週ごと、日ごと、時間ごとと、それぞれ使用している教材や講義の具体的なページや問題番号などを記入し「すること」を明確にしていきます。

学習スケジュールノート

なお、この学習計画の立て方については、別の記事にて紹介していますので、是非参考にしてみてください。

不合格だったあなたへ

行政書士試験の不合格は、決して終わりではありません。むしろ、これからの成長に向けた新たなスタートです。
3回の不合格を経験し、今は現役行政書士である私が言うのだから間違いはありません。
1年間の努力は決して無駄にはならず、知識や経験としてあなたの中に蓄積されています。私自身、行政書士になるまでに時間がかかりましたが、不合格を経験したことで得た学びが、今の業務に大いに役立っています。法律の知識は深まり、法的思考力が養われ、許認可申請業務においても高い成功率を誇ることができています。

今は悔しいかもしれませんが、この経験を糧にして、再び挑戦する覚悟を固めましょう。不合格の経験は、あなたが今後直面するあらゆる困難に立ち向かうための貴重な糧となります。ここで得た教訓は、行政書士としての業務だけでなく、人生の様々な場面であなたを支える力となるでしょう。

また、この過程で支えてくれた家族や友人、同僚への感謝の気持ちを忘れずに。彼らの支援があったからこそ、再挑戦の道を歩み始めることができるのです。がんばった自分自身を誇りに思い、周りの人々への感謝を忘れないこと。これが新たなスタートを切る上での大切な心構えです。

行政書士試験の合格は、単なるゴールではありません。それはあなたが社会で活躍するためのスタートラインに立つための通過点にしか過ぎません。あなたの「覚悟、情熱、執念」、そしてこれまで積み重ねてきた努力は、必ずや次の挑戦で花開くでしょう。

明日からの学習に取り組む際には、今回の経験を糧に、より効果的な学習方法、より現実的な目標設定を心がけてください。そして、何よりも自分自身を信じて、一歩一歩前進していきましょう。行政書士としての夢を実現する日は、そう遠くはありません。今回の挫折を乗り越え、さらに成長したあなたがそこにいることを、私は信じています。

この記事は、当時の自分へ応援メッセージを送る感覚で文章を作成してみました。